担々麺は「担いで売る麺」という意味です。
中国でかつて、天秤棒で調理道具を担いで移動し、注文を受けたらその場で作って出す麺屋があったそうです。
担々麺はその移動式の麺屋のメニューが起源と言われています。
日本ではおなじみのこの料理は、本場、四川省ではあまり人気がありません。
現地に行ってもメニューにはほとんどなく、美味しい担々麺はどこで食べられるのか話を聞いても「担々麺は他愛のない点心だよ」と、つまらなそうに言われるそうです。
本場の四川の担々麺は、コシのないうどんのような麺に、炒めた挽肉、醤油、辣油、ホアジャオ、芝麻醤、ザーサイをかけただけの混ぜそば、というとても簡素な料理で、元々、近くに食堂もないような辺鄙な場所で働いていた人の昼食として考え出されたファストフードのようなものであったようなのです。
担々麺を日本人なら誰でも知る点心に昇華させたのは、担々麺を日本人に合うようにアレンジした陳建民という料理人です。
日本人向けにするにあたって、当時の日本には中華麺の「混ぜそば」を食べる習慣が無かったため、スープを加えて汁そばに改変しました。
日本で担々麺と言えば、スープに入った麺なのですが、四川式担々麺は汁なしがスタンダードです。
担々麺に使う芝麻醤(ヂー・マー・ジャン)は、日本で言う「練りごま」と同一のものです。
冷蔵保存しておいたものはとても硬いので、調理を始める前に常温に置いておき、使う前によくかき混ぜて撹拌させておくと良いです。
日本でおなじみのスープ入りの担々麺は以下で
材料
2人分
中華生麺(太麺) 3玉
挽肉(合い挽き) 300g ※お好みで豚挽肉でも良い
チー油(鶏油) 大さじ1
ニンニク 3片
ショウガ 1片
豆板醤 小さじ1
ピーシェン豆板醤 小さじ1 ※あれば
甜麺醤 大さじ1
長ネギ 1/3本
鶏ガラスープ 150cc
薄口醤油 小さじ1
味噌 大さじ1
料理酒 小さじ1
紹興酒 小さじ2
芝麻醤 小さじ2 ※練りごまで代用可
辣椒油(ラー・ジャオ・ユ) 小さじ2
トッピング
ホアジャオ( 山椒の実) 少々
万能ねぎ 少々
ゆで卵 1/2個白ごま 少々
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作り方
鍋で水を沸騰させ、生卵をおたまでゆっくりと入れ、極弱火で8分ほど煮てゆで卵を作っておきます。(半熟にしたい時は5分で良いです)
茹で上がったら一度流水で冷やすか、湯から取り出して冷ましてから殻をむいておきます。
卵は新鮮なものでなく、冷蔵庫で1週間以上置いたもののほうが、殻を綺麗に剥きやすいです。
寸胴に麺を茹でる水を入れ、中火にかけておきます。
沸騰するまでの間に作業を進めていきます。
ニンニクをみじん切りにします。
ショウガをみじん切りにします。
中華鍋を中弱火で熱し、鍋が温まったら、弱火に落としてチー油(鶏油)を入れます。チー油が無い場合は、ごま油でも構いません。
豆板醤と、ピーシェン豆板醤を入れます。
ピーケン豆板醤 (四川卑県唐辛子味噌) お徳用 380gX2
普通の豆板醤が数ヶ月の熟成で出荷されるのに対し、ピーシェン豆板醤は2~3年の熟成期間を経て作られます。
その味の深みは普通の豆板醤の比ではなく、辛いだけではなく、よりまろやかで深い熟成感があります。
1分ほど弱火で炒め、辛味を出します。
豆板醤は長く炒めるほど辛味が強くなります。辛くしたい場合は長めに、マイルドにしたい場合はあまり炒めないで下さい。
ニンニク、ショウガを入れて、豆板醤と炒めます。
3分ほど弱火でじっくりと炒めて、ニンニクがカリカリになるくらい炒めます。
焦げるくらい炒めると、香ばしさが出ます。
挽肉、甜麺醤、水100ccを入れます。
味噌、薄口醤油を入れて、中火にし、よく混ぜながら煮込みます。
長ネギを粗みじん切りにします。
透明な油が表面に浮いてきたら、料理酒、紹興酒を鍋肌から入れて香りと風味を加えます。
鶏ガラスープを加えます。
火を止めて、長ネギ、 辣椒油(ラー・ジャオ・ユ)、 芝麻醤 を加えます。
よく混ぜておきます。これで肉味噌はできあがりです。
万能ねぎを細かく切っておきます。
ゆで卵を半分に切っておきます。
山椒の実をミルなどで挽いておきます。
寸胴の火を強火にし、沸騰している所へ生麺をほぐし入れ、2分茹でます。
流しには麺を締める為のザルを用意しておきます。
吹きこぼれそうになったら、火を少し弱くします。
茹で上がったら、火を止めて、麺をザルに移し、流水で麺を締めます。
寸胴の湯は使うので捨てないようにして下さい。
よく水をかけてから、手で揉み洗いし、ぬめりを取ります。
締めた麺を湯の中に10秒戻し、温め直します。
すぐに温まるので10秒で大丈夫です。
皿に麺を盛り付けます。
肉味噌を軽く温め直して、麺の上にかけます。
万能ねぎを散らします。
ゆで卵を添えます。
最後に ホアジャオ(山椒の実)、白ごまを振りかければ出来上がりです。
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